No.5 夏の記憶 上ヶ平 裕彦 [三俣蓮華岳付近]
乏しい水と養分を頼りに極限の環境で生きるコバイケイソウ。 幾年かの蓄えでようやく花開き、限られた交配のチャンスに賭け、また幾年か沈黙の時を過ごす。申し合わせたかのように多くの花株が一斉開花を迎えるその仕組みは謎。 クリーム色の絨毯が拡げられたかのように一変した景色を目にし、かつての記憶を呼び起こした。 そして再びこの景色を見るのはいったい何年の後だろうか。